育毛と発毛は何が違う？AGA治療の基本ポイント

AGAは育毛剤では防げない

AGAは男性型脱毛症の略称で、男性の髪が抜ける主な原因の一つになっています。AGAの原因は男性ホルモンが特定の酵素と結びつくことにより、抜け毛を促進する物質が生まれることです。抜け毛を促進する物質が毛根の特定部位に結びつくと十分に髪の毛が育つ前に抜けてしまいます。

AGAを治療する場合は、この酵素との結びつきを阻害することや、毛根の特定部位に結びつかないように邪魔する必要があるのです。AGAの治療には、主にAGA治療薬が使われます。医学的に効果が証明されていることから発毛剤とも言われます。

発毛剤は医薬品に分類されるため、市販はされていないのがポイントになります。購入には医師の処方が必要です。そのため、AGAはAGA治療専門のクリニックか、皮膚科に行って治療を受けることが基本になります。ヘアサロンや育毛サロンでは治すことが出来ないのです。

育毛剤と発毛剤の違いは、医学的な効果が確認されているかどうかです。育毛剤は発毛効果があることが確認されておらず、AGAの治療には不十分です。しかし、AGA以外の原因で発生する抜け毛を防げる可能性があります。食習慣やストレスなどの影響で抜け毛が進み、薄毛になってしまうことがあるからです。

育毛剤は現在ある髪を守るためのもので、積極的に髪を生やすものではないこともポイントになります。年齢による薄毛対策に利用されることが多いのも特徴です。また、発毛剤に使われる成分を含んだ育毛剤も販売されています。注意したいのは成分の濃度です。

当然ですが、市販の育毛剤は薬と同じだけの濃度の成分を加えることは出来なくなっています。主要な発毛成分であるミノキシジル入りの育毛剤もありますが、AGA治療に十分な量とは言えず、専門の病院で治療するほど効果は感じられないのが一般的なのです。

AGAが遺伝で決まることがある

ハゲは遺伝すると言ううわさがありますが、実際にはAGAになりやすい遺伝子があることがわかっています。AGAさえ発症しなければ薄毛にならないことになりますが、発症率が高いからこそ早めのケアと対策が必要になるのです。

AGA関連の遺伝子は女系の家族から遺伝することがわかっているため、自分の母親の家系に薄毛の人がいないかチェックするとよりわかりやすくなります。現在では遺伝子検査などで薄毛の傾向があるか調べることも可能になっていますが、検査キット自体が高額で検査に時間がかかるケースが大半です。

AGAが疑われる状態であれば専門のクリニックに行くのが早道になっています。薄毛の進行は人によって異なるものの、あまり進行してからだと発毛剤を使っても髪が生えなくなる可能性がある点に注意が必要です。これは長く髪の毛が生えない状態になると、毛根自体がなくなり、髪が生えなくなってしまうからです。

見た目上髪が生えていないだけの場合は、ミノキシジルを塗布することで髪が生えてくる可能性があります。ただし、ミノキシジルは強力な分副作用も激しいため、誰でも使えるわけではない点に注意が必要です。事前にアレルギーの検査などが必要になるからです。

AGAが気になる場合は早めに検査を受けた方が良く、早期であれば髪の毛も取り戻せる可能性が高いのです。AGAが進行しても、自毛植毛などを行えば髪の毛が取り戻せる可能性があります。自毛植毛は髪の元になる毛包を移植し、自然に髪が生える状況を取り戻す方法です。

自分の毛包を使うため、拒否反応の心配がなく、定着すればまた髪が伸びてくるのが特徴になっています。ただし、面積や本数あたりで費用がかかるため、面積が広くなればそれだけ費用もかさみます。どうしても気になる場合は手術を受けるのも方法ですが、まずは通常の薬でどこまで回復するか確認した方が良いのです。